緊急地震速報のチャイム音と聴覚による情報デザイン

緊急地震速報のチャイムは、「音」を利用した情報デザインの実例として興味深い。「ゴジラ音楽と緊急地震速報~あの警報チャイムに込められた福祉工学のメッセージ~(筒井信介著・ヤマハミュージックメディア)
は、このチャイム音を製作した伊福部達氏(東京大学名誉教授)が監修する、チャイム音設計のプロセスと、その元になった叔父の作曲家・伊福部昭氏を紹介する本。昭氏は「ゴジラ」「座頭市」などの映画音楽で知られており、達氏は子どものころから昭氏の音楽を聞いて育った。

達氏の専門分野は福祉工学で、中でも「音」に関する研究の草分けであり、できるだけ多くの聴覚障がい者・加齢性難聴者の注意も惹く音を作る必要があったため、白羽の矢が立てられた。主な研究業績は、聴覚による「気配」の正体の解明、音声情報を指先につたえる「触知ボコーダ」の開発(蝸牛管の基底膜における振動パターン解析による聴覚の触覚への変換)、音声タイプライタ、人工内耳プロジェクトなど。

他に、本書では聴覚に関する伊福部達氏の研究概要、チャイムの製作を依頼されるきっかけとなった樺太アイヌの蝋管(録音を記録した媒体)の復元プロジェクト、チャイム製作の手順、福祉工学の全体像と現状について紹介している。

緊急性を伝え、避難行動を促すという目的のためには、「音」ではなく人の気持ちに働きかける「音楽」の仕組みを理解し、実装する必要がある。その背景には、数多くの映像音楽を世に送り出した昭氏の手法論が適用されている。

(以下内容についてのメモ)

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B787に乗ったよ!

広島に出張に行った人達が「787に乗った!」というのがうらやましくて衝動的に帰省からの戻りを岡山経由にしてみました。

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ディープイースト東京ウォーカー2  人間双六無双 [ネタばらし編]

昨年に続いて大晦日に@shimon_yamadaがひたすらだらだら東京の街を歩くという誰得企画「ディープイースト東京ウォーカー2 人間双六無双」、今年は同行者@suka1975氏もいるということで、事前のルート設定をお手伝いしてきました。とはいっても3日前までほぼノーアイデアで、2日前の夜に玉ひでで軍鶏鍋つつきながら決めたという。親子丼おいしかったなぁ。

ルート選定時の制約条件は4つでした。

  • 東京在住経験がない人でも知っている場所をめぐるルートにする
  • 道中でサイコロ振って意味がある企画にする
  • ゴールは東京駅(これは最終的に「日本国道路元標」に変更した)
  • 大晦日のうちにゴールにたどりつける

当日の顛末についてはこちらをどうぞ。

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「希釈して捨てる」を計算してみた

asahi.com(朝日新聞社):芝生シート高線量の小学校、セシウム9万ベクレル 杉並 – 社会

この春に小学校のグランドを覆っていた芝生養生シートから、9万600Bq/kgのセシウムが検出されたっていうニュースです。セシウム9万ベクレル、ってヘンな見出しなんですけどね。単位がおかしいし、総量わかんないし。

それはともかく、先日国が出した基準では、埋立処分ができるのは8000Bq/kg以下ってことになってるので、このシートはこのままでは処分できないってことで現在杉並区の公共施設内に保管されているそうです。で、どうするかっていうと、

環境省は12日夜になって「シート1キロに対し他の廃棄物1トンを混ぜて焼却すれば放射性物質は十分希釈される」と回答し、焼却処分を事実上認めた。これを受け、区は焼却する方向で検討している。

てことだそうです。えーっと…つまり、1000倍に薄めた後で燃やすと。

90000Bq/kgのシート1kgを1トンの廃棄物と混ぜるということは、90Bq/kgのゴミが約1トンできることになります。これがどのくらいの濃度にあたるかというと、原子炉等規制法で定められたクリアランス制度(原子力施設などを解体したときに出る廃棄物のうち、普通の産業廃棄物として処分してもよい廃棄物の放射能濃度)で、Cs137のクリアランスレベル(含まれていてもよい放射性物質の濃度上限)が100Bq/kg(0.1Bq/g)と定められているのでほぼ同じぐらい。つまり、混ぜることで、従来、一般の産業廃棄物として処分できることにしてきたものと同じレベルになるんだから、同じに処分してもいいっていう理屈のように見えます。担当者に根拠を聞いたわけではないのであくまで推測ですが。

じゃあちなみに薄める前の「9万Bq/kg」ってどの程度のものかっていうと、「核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の第二種廃棄物埋設の事業に関する規則」っていう法律で、低レベル放射性廃棄物としてトレンチ処分(50メートル以下の深度の地下に埋設して50年間管理)するように定められた濃度とほぼ同じです。

だったらこのシートはそのまま低レベル放射性廃棄物処理施設に運んで埋める方が適切だと思うんですが、こういうことがどんどん増えてきて処理施設がいっぱいになると大変だから、薄めて一般の産業廃棄物に混ぜちゃえ~っていうマジックなんですかねえ。

クリアランス制度というのは、「原子力施設を解体したときに、廃材などを全部放射性廃棄物として管理するのは大変だから、管理しなくてもいい程度の濃度のものは分離して処分しよう」という考え方で、賛否両論ありますが、私はクリアランスレベルの設定基準が間違っていなければ合理的な考え方だと思います。ただし、クリアランス制度は、「高濃度の廃棄物と低濃度の廃棄物を分離して高濃度なものは管理する」ことが前提となっており、高濃度のものを希釈して低濃度にするということは想定していません。

希釈したからといってそこに存在する放射性核種の総量は変わりません。最初から希釈された状態であればそこから放射性核種を取り出すのは現実的ではないので、どこかで線を引いて「この濃度以下は一般の廃棄物として扱ってよい」とするしかないですが、分離できるものは分離して管理した方が当然、良いわけです。ところが今回の一般廃棄物をまぜて希釈するという処置は、分離してあったものをわざわざ分離できない状態にして管理外に放出するということで、放射能濃度は同じでも全く意味が違います。

実際に今回みつかった養生シートからどのくらいの廃棄物ができるかを計算するために、まずはどのくらいの量のシートがあるのか、もう少しニュースをぐぐってみると、MSN産経ニュースの記事によれば、“大きさは「縦24メートル、横16・5メートル」と「縦12メートル、横5メートル」の2種類計9枚。”とのこと。で、芝生養生シートをぐぐってみると、こちらの商品に「1平米あたり50g」という説明がありましたので、大5枚、小4枚ずつだったと仮定して111kg。まあ、およそ100kg程度。これを材料にして100トンの「放射性核種を微量に含んだ」廃棄物を故意に作り、管理外に置くことになるのです。ALARAの原則の「合理的に達成可能な限り被ばく量を低減する」という原則に照らしても全く合理的ではない処置のように思えます。

参考資料
原子力教科書 放射性廃棄物の工学

大学の教科書ですが、原子力施設から出る放射性廃棄物の処理手順や各種基準などについて網羅的にまとめてあります。一読をお勧めします。

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「証言の心理学」の著者が解説する「自白の心理学」

取調べの可視化を求める市民集会「なぜ、無実の人が『自白』をしてしまうのか」 | AMNESTY INTERNATIONAL JAPAN

12月7日に弁護士会館で開催されたイベントを、昨年に続いてTwitter中継しました。今年はUstream中継があったので、会場には行かずにおうちで最初から最後まで見てました。画像は記録用に撮影しているものをラインで、音も会場のPAから直接わけてもらってLiveShellで流したそうで、クオリティの高い中継でございました。

ゲストが豪華なのにあわただしすぎてなんだか消化不良だった去年に比べて、今年は基調講演とパネルディスカッションの二部構成で、トータルの時間は短かったけれど、とても気づきが多く満足感が高いシンポジウムでした。

基調講演をされた高木光太郎先生は、青山学院大の先生で、「証言の心理学」という本の著者でいらっしゃいます。(講演のタイトルが「自白の心理学」だったので、amazonで検索したら別の方の本が出てきたのですが、まとめて読むと良さそうです)

虚偽自白を見抜くために全面可視化が必要な理由

・日常生活で人間のコミュニケーションは、相手の言うことを信じることからはじまるが、取り調べの場で「言ったことをことごとく否定される」ことで人の心は折れていく
・その場合、暴力や暴言といった分かりやすい圧力ではなく、一見おだやかに話しているように見えても会話が成立していない
・自尊心を否定して苦しめ、認めれば楽になれるという揺さぶりをかける
・被疑者にとって死刑や無期懲役の可能性は遠い将来だが、今の辛い状況から逃れるために嘘をついてしまう、裁判で否認すれば聞いてもらえると思って認めてしまう
・一度虚偽自白に落ちてしまうと、「本当のことを言ってもいい」といわれてもすぐには戻ってこられない
・部分録音、録画は、見せられた側に「自分で見聞きしたものを信じる」という作用がはたらくので、心が折れた状態で記録された映像や音声には嘘を補強する方向にはたらく場合がある。足利事件や布川事件で証拠として採用された録音はそのケース
・全面録音録画は、暴力や暴言、自白強要を抑止するだけでなく、自白に至るまでのプロセスを検証することで、得られた自白がディスコミュニケーションによる断絶から生まれた虚偽自白であるかどうかを判断できる

後半のパネルディスカッションで、布川事件の弁護士の方がおっしゃった、「なかなか冤罪が覆らなかったのは、一部分だけ残ったテープがあったから」という話は、前半の高木先生の話を聞いていなかったら理解できなかったかもしれません。

裁判員制度の導入後、取り調べの一部を録画する取り組みがはじまっていますが、「一部分でもやらないよりマシ、ではなく、全部でなくては意味がない」という理由がよく分かりました。

Ustreamでアーカイブが残っていますので、視聴をお勧めします。当日のTwitter中継については、加筆・推敲したものが後日アムネスティ・インターナショナルのブログに掲載されるようです。

 

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